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    ●平成16年11月07日 考える力の応用

 去る10月23日に、震度7という極めて強度な地震が新潟中越地方を襲い、現在でも多くの人々が、不自由な避難生活の中にあります。

 人間は、科学文明のおかげで、かなりのところまで発達したと思っていますが、過日の水害もあって、まだまだ自然には歯が立たない存在であることを思い知らされた次第です。

 しかしながら、それでも現地の方々は非常に強く、また、各地からボランティアの方々も駆けつたこともあって、復興に向けて力強く前進されていることを感じさせていただきました。

 さて、色々な出来事があり、伸び伸びになっていましたが、ようやく、考えることの本題に入っていけそうです。

 そこで、まず、人間とはどういう存在であるかについて考えてみたいと思います。

 今まで、人間と言う存在に対して、色々な定義がなされてきました。パスカル的な定義では、人間は、考える葦であると定義しています。また、ソクラテス的には、人間とは、愛知者、つまり、知識を愛する存在であると定義していますし、また、釈尊的定義では、人間とは悟りを求める存在であるとしています(*1)。

 そのように、考える葦にしろ、愛知者にしろ、悟りを求める存在にしろ、人間とは、考えることが前提になって定義されていると言ってもいいでしょう。

 であるならば、さらに人間らしさを伸ばすためには、この考える能力を抜きにして、論ずることはできないと言えるのではないでしょうか。

 そこで、昨年から考えるということをテーマで述べて参りましたが、今回からは、それを具体的に応用するためにはどうすればいいか、ということについて述べて参りたいと思います。

 そこで、このコラムを読んでおられる方々の中には、ビジネスマンやOLの方も多いと思いますので、企業における考える力の応用を中心に述べて参りたいと思います。

 もちろん、企業の中だけではなく、一般の人生の途上で発生する問題、つまり、悩みを解決するための考える力の応用もありますが、ここでは、あえて環境をビジネスの場に限って、私の経験も交えて述べて参りたいと思います。

 さて、ビジネスには色々な形態の業務が考えられますが、その主なるものをあげると、次のような業態があると考えられます。

 1.営業販売業務

 2.事務処理業務

 3.製造生産業務

 4.企画業務

 5.研究開発業務

 6.秘書業務

 7.経営業務

 以上、7点をあげてみました。その他にも業務はあると思いますが、これらの7つの業務において、考える力をどのように、活用していくのかということについてこれから述べていきたいと思います。

 ところで、この考える力なのですが、非常に不思議な力を持っています。

 これは、常日ごろに私も実体験して感じていることですが、この考える力には、知的に問題を解決したり、ものごとを創造していく力がありますが、それだけでなく、ある意味で物を動かすほどの物理的な力もあるように感じています。

 物理的といいますと、念力で物を動かしたりすることと誤解されるといけないので、もう少し説明をしますと、自分は、このようにしたい、あるいは、このようになりたいと、ずっと考え続けていますと、時間の経過とともに、そのようになることが多いということなのです。

 また、逆に、何も考えずに、行き当たりばったりだと、決してそれが実現されることはありませんでした。まさしく、つぶやく者の恋は成就しないということわざのとおり、つぶやく程度にしか考えていないようなことは、実現しないということなのです。

 つまり、ものごとというものは、はじめに考えるというところから始まって、それが具体的な念いになり、そして、それが時間とともに具現化していくという法則があると思われます。

 ここで大切なことは、考えたり念ったならば即実現ではなく、時間の経過とともに実現していくということなのです。人は、どうしてもせっかちになりますので、一生懸命熱心にそれをやっても実現しないと、途中であきらめてしまうところがあります。

 しかしながら、火にかけたヤカンのように、100度に達して沸騰するまでは、あまり大きな変化はありませんが、確実に水の温度は上がっているのです。ところが、90度や95度で、沸騰しないからと言って、火を止めてしまったらどうでしょうか。今までのエネルギーが全て無駄となってしまいます。もう、あとちょっとのところだったかも知れないのです。

 さらに、考えている内容は、目には見えないし、触ることもできませんが、それは何か電波のようなものであって、ある種の波動を発信しているとも考えられます。ですから、その波長の電波を受けられる受信機を持っている人が居れば、その電波に感応してくれるということでもあります。

 つまり、自分がこれをやりたいと常に考えていますと、それに同調する人が、必ず出てくるものなのです。商売もそうです。この商品をお客様に届けたいと、常日頃から考えていますと、その商品が欲しいというお客様が必ず現れることがあります。

 それも、つぶやく程度ではなく、考え抜くぐらいに考えていますと、必ずそのようになってくるものなのです。

 世の中に、成功者と呼ばれる方々がおられますが、私が見ていて、その方々に共通している点は、あることに関して考え抜いておられるということだと思います。

 この世の中では、目に見える物理的法則には客観性があるので、誰でもが認めるところとなりますが、実は、目には見えないものですが、心にも法則があります。その心の法則を知るということが、真に人生に勝利することではないかと、私は思っています。

 それでは、次回から、この続きの考えることの具体論に入っていきたいと思います。

(*1)『新・心の探求』第3章「心の諸相」(幸福の科学出版)

   ●平成16年11月17日 営業活動における考える力の応用

 先回のコラムでは、ビジネス環境の様々な局面で、考える力の応用があることを述べました。そこで、今回は、まず営業活動における考える力の応用について述べてみたいと思います。

 その前に、ここで改めまして、考えるということ自体の意味について確認をしたいと思います。

 世の中で、あなたは考えることをしていませんねと言いますと、大変な反発が帰ってきそうですが、実は、自分ではいつも考えているつもりであっても、案外と反応しているだけであったということも多くあります(*1)。

 例えば、昼ごろになると、お腹がすいてきたので、今日はどこで何を食べようかなと考えている、あるいは、朝起きると寒かったので、今日は何を着ていこうかなと考えている、などと私はいつもよく考えていますと言う方も多いと思いますが、これらは、ただ出来事に対して反応しているだけなのです。

 つまり、自分の体が感じたことや、外からの情報によって考えさせられているということなのです。ですから、自分が自ら自発的に考えたことではなく、単に、それらの刺激に反応しているだけということになります。

 本来、考えるということは、自らが問題意識を持って自発的に思考することを言います。そう定義しますと、どうでしょうか、一日、どれだけ考えていると言えるでしょうか。もしかしたら、一日中、自分は反応しているだけだったと言うこともあるかも知れません。

 そこで、これから述べるところの考える力の応用では、反応することではなく、自らが自発的に考えるという意味で述べて参りたいと思います。

 それでは本題に戻りますが、営業活動において、自発的に考えるということには、どのような内容があるのでしょうか。今まで述べて参りました4つの切り口(これを「四考法」と名づけました)から、その項目をあげたいと思います。

 1.本質を考える

  (1)営業活動とは一体何なのか。

  (2)その本質は何か。

  (3)販売するということは一体どういうことなのか。

  (4)当社にとって営業活動とは一体どういうことを意味しているのか。

 2.理由を考える

  (1)なぜ営業活動が必要なのか。

  (2)なぜ営業をしなくてはならないのか。

  (3)なぜ販売に力を入れるのか。

  (4)なぜ当社は営業部と言う組織があるのか。

 3.目的を考える

  (1)何のために営業活動があるのか。

  (2)企業が営業をして販売を行う目的はどこにあるのか。

  (3)当社の営業の目的は何か。

  (4)何のために全国に支店があって販売活動を行っているのか。

 4.縁起を考える

  (1)営業をすれば、その後どのようになっていくのか。

  (2)売った商品は、その後、どのようになるのか。

  (3)当社が、営業活動を続けて行ったら、その後どのようになるのか。

  (4)販売すれば、それが他に、どのように影響を与えていくのか。

 以上、4つの切り口から考えるべき項目をあげました。もちろん、その他に考えるべき点もあるかと思います。しかしながら、改めて以上の4点を切り口にして考えてみると、今まで思いつかなかった新鮮な発見もあるものです。

 今回は、項目だけをあげさせていただきましたが、次回からそれぞれの項目について、具体的に考えて参りたいと思います。次回まで、10日ほどありますので、是非、皆様もご一緒に考えていただければ幸いです。

 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。

(*1)『仏陀の証明』P.30(幸福の科学出版)

   ●平成16年11月27日 営業活動の本質を考える

 

 先回のコラムでは、営業活動における考える力の応用を、4つの切り口(「四考法」)から考えて参りました。そこで、今回は、まず、その4つの切り口のうちの一つである、本質を考えるということについて考えてみたいと思います。

 すなわち、営業活動の本質とは何か、営業活動とは一体何なのか、これについて考えてみたいと思います。

 そこで、考えが大きく広がるように、ブレーンストーミング法(*1)を使って、考えてみたいと思います。ブレーンストーミング法とは、文字通り頭の嵐という意味で、既成概念や形式にとらわれず、自由な発想をぶつける方法のことを言い、そうすることによって、玉石混合の発想の中から宝もののような発見をすることを意味します。

 この方法には、さほどルールがある訳ではありませんが、ただ一つルールがありあます。それは、出された意見や発想に対して批判をしてはならないというルールです。

 なぜかと言いますと、たとえ石のような意見や発想であっても、数多く出されたならば、その中に宝も含まれているだろうということだからです。

 それでは、ブレーンストーミングをしてみたいと思います。

 営業活動とは一体何なのか。

 それは、ものを販売することである。

 それは、製品の販売によって、お金を得ることである。

 それは、利益の源泉である。

 それは、消費者や企業に自社の製品を知らしめることである。

 それは、購買者に自社の製品を買うと、ハッピーになることを知らしめることである。

 それは、自分の説得能力が試される場である。

 それは、購買者の要求を満たすことである。

 それは、購買者の信頼を得ることである。

 それは、購買者に喜びをもたらすことである。

 それは、購買者に喜びをもたらすことによって、自社も発展することである。

 それは、購買者をハッピーにすることによって、結果的に社会に貢献することである。

 それは、社会に貢献することであり、それによって未来を作っていくことである。

 それは、社会に貢献することによって自己拡大していくことである。

 それは、人類の発展と進化に寄与することである。

 以上、ブレインストーミング法によって、営業活動とは何かを考えてみました。あらためて営業活動とは何かを考えてみますと、営業活動とは、単にお金儲けのためだけではないと言うことが分かります。

 いや、それどころか、人類の幸福に貢献することであるという発想も出て参りました。

 そういたしますと、儲ける企業は悪い存在であるという共産主義的な発想は、ここでは成り立たなくなります。なぜなら、営業活動とは、人類の幸福に寄与するものであるという発想も出てきたからです。

 ミクロには、販売員の説得能力を磨く場になりますし、企業の顧客に対する魅力度を上げる場となりますし、また、マクロには、顧客の幸福、さらには人類の幸福に貢献することである、ということが発見できたのです。

 このような発想を、もし企業の営業マンや営業ウーマンが持てたとするならば、自分の生きがいも増しますし、さらには、営業活動にも熱が入るのではないかと思います。

 それほど、考え方というものには大きな力があると言えるのではないでしょうか。

 では、次回もこの続きについて述べて参りたいと思います。(竹内)

(*1)『幸福の法』第2章「ワンポイントアップの仕事術」P.122(幸福の科学出版)

 

 

   ●平成16年12月07日 営業における問題解決への応用

 

 先回のコラムでは、営業活動について、その本質とは何かを考えて参りました。そこで、その考えた結果を応用して、営業活動における問題解決に挑戦してみたいと思います。

 それでは、営業活動における種々の問題には、どういうものがあるでしょうか。それらを挙げるとすれば、数え切れないくらいの問題が挙げられると思いますが、その中で一番重要な問題は、売上に対する問題でしょう。

 すなわち、なぜ、もっと売れないのか。なぜ、売上が落ちてきたのか。これらの問題が、あらゆる企業に共通した一番重要な問題だと言えます。

 そして、もし、これらの問題に対してスパッと答えられたならば、それは、もう引っ張りだこになることと思います。

 色々な経営セミナーでも、この問題を解決するために種々のコースを設けています。その内容は、売上を伸ばすためには、どうのようにしたらいいかということを中心に教えています。いわく、

 ・ 何度も顧客を訪問しなさい。熱心さが大切です。

 ・ 身だしなみや言葉づかいに注意しなさい。

 ・ 競合他社よりも、いかに優位であるかということを説得しなさい。

 ・ だから説得力をもっと磨きなさい。

 ・ 訪問するときには、必ず準備してから行きなさい。

 ・ あとは押しの強さです。他社に負けず押しまくりなさい。

 などなど、セールスマンがいかにすれば多くの売上を上げることができるかという教育やセミナーが開かれています。

 そこで、せっかく先回のコラムで、営業活動とは何かという営業の本質を考えてみたのですから、その結果を応用して、この重要な問題に挑戦してみたいと思います。

 先回、営業活動の本質とは、顧客に喜びをもたらすことである」「顧客をハッピーにすることによって社会に貢献していくことであるという考え方も出て参りました。

 つまり、営業活動とは、単に物を販売してその利益を得るということだけでなく、顧客に喜びをもたらすことであるという違った視点での考え方も出されました。

 では、この考え方において、売上を伸ばすためには、どのような問題の解決方法となるのでしょうか。それを考えてみたいと思います。

 従来での売上増の方法は、売り手がいかに強く、しかも熱心に顧客に製品を勧めるかという売り手から見た方法が重視されました。しかしながら、先回で得られた考え方では、その視点がまったく逆転してしまいました。

 すなわち、売り手の都合というよりも、顧客の立場から考えて、顧客がいかに喜びハッピーになるかということが、営業の本質であるという考えに至ったのです。

 従って、売上を伸ばすためには、どうすれば顧客がハッピーになるかということを考えればいいということになります。

 つまり、自分(自社)のハッピーよりも、まずは、顧客の立場に立って顧客の幸福を考えなさいということなのです。

 売上を伸ばすということを考えるとき、どうしても自分(自社)を中心とした思いが先に立ち、顧客の都合や顧客の思いというものが二の次にされる傾向があります。

 しかしながら、ここで発想を逆転させ、まずは顧客の幸福について考えることが売上増の最大の方法だということなのです。

 人間は、直接的なことについてはすぐに分かるのですが、間接的なことについては、どうしても考えられないというところがありますが、これは法則として理解をする必要があります。

 つまり、「与えたならば、与えられる」という法則を理解することなのです。直接的には、与えたら自分の持分が減るので損になると思いがちなのですが、しかしながら、宇宙の法則として、与えたならばそれは逆に与えられることなのだという、このパラドックス(逆説)を理解することこそが、成功への道だということができます。

 これは、引けば簡単に開くドアに対して、押しても押しても開かないと言っている姿にも似ているでしょうか。このように、世の中には視点を変えれば簡単に分かることもあるのです。

 ですから、売上を上げるためには、徹底的に顧客が喜ぶことをすればいいのです。自分の都合よりも、顧客の都合を優先させて考えることです。

 この法則は、あらゆる製品、あらゆるサービスに適用されます。それも例外がありません。

 例えば、レストランの売上を伸ばしたいならば、顧客にどのような食事、どのような雰囲気を提供すれば喜んでいただけるかということを考えればいいことになります。

 また、病院についてもしかりです。どのような診察、どのような治療をすれば患者さんに喜んでいただけるかということを考えればいいことになります。

 先日もある出版社が病院のランクを掲載しておりましたが、確かに、診察のための待ち時間を無くしたり、一定のマナーのもとで、入院中のベッドでの携帯電話の使用を認めたり、色々な便宜を患者さんに図っているところが売上を伸ばしているところです。

 しかしながら、病院が患者を診てやっているのだという立場で運営している病院は、ただ消え去るしかないようにも思えます。

 これだけの物余りの時代で、これだけのサービス過剰の時代にあっては、今一度、営業活動の本質を考え直し、その原点に立って営業活動を展開していかなければ、やがては淘汰されるという厳しい時代がやってきたということができるのではないでしょうか。

 それは厳しいことではありますが、ある意味で自分や会社のさらなる向上や発展にとっては、喜ばしいことだと言えるかも知れません。

 では、次回もこの続きについて述べて参りたいと思います。(竹内)

 

 

   ●平成16年12月17日 営業活動の理由を考える

 

 先回のコラムでは、営業活動の本質を考える続きとして、その問題解決への応用について考えて参りました。そこで、今回は、その4つの切り口(「四考法」)のうちの第二の項目である、理由を考えるということについて述べてみたいと思います。

 すなわち、なぜ営業活動があるのか、なぜ営業活動を行うのか、これについて考えてみたいと思います。

 今回も、先回と同じく、ブレーンストーミング法によってって、考えてみたいと思います。

 つまり、なぜ営業活動があるのか、なぜ営業活動をするのかを考えます。

それは、営業しなければ自社の商品が売れないからである。
それは、営業活動をすることによって商品の販売量が伸びるからである。
それは、営業活動をすることによって販売量が伸び、それによって利益が得られるからである。
それは、顧客に自社の商品をよく知ってもらえるからである。
それは、顧客に自社の商品をよく知ってもらうと、販売増大に結び付けられるからである。
それは、営業活動があることによって、顧客のニーズを吸い上げることができるからである。
それは、営業活動を行うことで、自分の説得能力を鍛えることができるからである。
それは、営業活動を行うことによって、購買者の要望に対して答えることができるからである。
それは、営業活動によって、購買者との接点を得ることができるからである。
それは、営業活動があることによって、購買者に自社に対する理解を得られるからである。
それは、営業活動があることによって、自社の将来の方向性について誤りが起こらないようにできるからである。
それは、営業活動を行うことによって、購買を迷っている顧客を購入へと導けるからである。
それは、営業活動があるので、企業が孤立することなく社会に融合できるからである。
それは、営業活動があるので、顧客と人間対人間のお付き合いができるからである。
それは、営業活動があるので、相手の喜びも苦しみも肌で感じることができるからである。

 以上、ブレーンストーミング法によって、なぜ営業活動があるのか、なぜ営業活動を行うのかということを考えてみました。やはり、ブレーンストーミング法は、色々な発想を引き出してくれるものです。

 通常、なぜ販売活動があるのかと問えば、それは、売上げを伸ばし利益をもたらすからだ、というのが一般的な答えではないかと思います。

 しかしながら、ここで改めて考えてみますと、企業は、外から見れば無味乾燥であっても、営業活動を行う人たちによって、人間的な暖かい触れ合いをもたらすことができることを発見いたしました。

 さらに、営業活動は企業と外界との接点であるため、その接点を通して、顧客の情報を得ることができたり、また、逆に自社の本当の姿を伝えることができる非常に重要なパイプであることも発見できました。

 なぜ、営業活動があるのか、この当たり前ともいえる問いかけをすることによって、かえって新鮮な発見もあるものです。

 人間というものは、慣れすぎているものに対しては、さほど深く考えるということはしないものです。そこで、改めて、身近なことに対して考えてみるのも、いい刺激になるのではないでしょうか。

 では、次回もこの続きについて述べて参りたいと思います。(竹内)

 

 

   ●平成16年12月27日 年の終わりに一年を振り返る

 

 さて、年が変わるというのは、何か竹の節のようで非常に重要な気がします。もし、竹に節がなければどうでしょうか。おそらく、すぐに折れてしまうことでしょう。

 しかし、節があるお陰で、あの大きな鯉のぼりのさおにできるぐらいに、丈夫なものになるのではないでしょうか。

 人間も同じで、年が変わるというのは、単に年号が変わるだけでなく、何か節のようなものが人生に作られるのではないかと思います。

 その人間の節に当たるものが、実は、一年を静かに振り返り、反省をすることではないかと思うのです。

 反省には非常に大きな力があります。過去を振り返り、そして、それを教訓とするということは、これからの人生の全体を支えられるぐらいの大きな力があると思います。

 さて、それでは平成16年という年はどういう年であったか、というマクロな視点から振り返ってみたいと思います。

 今年は、何しろ災害の多い年であったということが言えるのではないかと思います。まず台風ですが、これだけの台風の数が日本列島に上陸したことも観測史上初めてのことですが、各地に土砂災害や洪水などの被害をもたらしたことも驚きでした。

 現在でも、災害の影響が続き、困られているところも多いと聞きます。

 そして、何よりも10月23日に発生した中越地震でした。阪神大震災から来年でちょうど10年を迎えることになりますが、阪神大震災の記憶が薄れかけていたときだけに、ショックも大きかったと思います。

 さらに、災害ではありませんが、あの猛暑、いや酷暑には参りました。クーラなどが飛ぶように売れて、良かったというところもありましたが、でも、国民にとってはつらい一年でした。やはり、今年は例年になく何か違うところがありました。

 天災だけではありません。今年は、集団での自殺の多い年でもありました。何でも、インターネットで仲間をつのり、車に練炭コンロを積んで、中毒死するという、また何とも奇妙な自殺のやり方にびっくりした年でもありました。

 経済的には、オリンピック効果もあってかなり明るいところがありましたが、やはり、「変な年だった」というのが皆の感じているところではないでしょうか。

 では、なぜこのようなことが起きるのか。すべては偶然の産物なのか。

 そういう疑問が起きて参りますが、ここで、宇宙の法則を今一度、思い出してみたいと思います。それは、「縁起の法」(*1)といわれるものです。

 つまり、「すべてものには原因と結果がある。その原因と結果の連鎖によって世界が展開している。」という、ものの考え方です。

 すなわち、ものごとは偶然に起きるのではなく、それには必ず原因があるという法則なのです。

 従って、今年は異常気象で、かつ災害が多発し、今まで考えられなかったような事件が多発しましたが、それらには、必ず原因があるということなのです。

 しかも、これには例外がありません。ですから、今年を振り返って、その原因が何だったのかを考える必要があるということなのです。

 ここまで述べますと、天災や自分と全く接点のない事件に対して、その原因を考えてみても無駄だと言われる方もおられるのではないかと思います。なぜなら、それらと自分とは全く関係のないことだと思えるからです。

 しかしながら、私たちは、全く関係がないとは言い切ることはできません。例えば、現在、同じ時代に生きている、あるいは、同じ国に生きている、ということだけでも関連があるのです。

 これを、「共業(ぐうごう)」(*2)といって、自分は関係ないと言っても、社会や環境の一端を担っているのではないかという考え方です。

 ですから、直接的には関連がなくても、やはり自分もその一員としての責任があるのです。

 従って、今起きていることも何かの警告であると思えば、やはり、私たちの思いと行動を反省して正していくことが必要ではないかと思うのです。

 人間は、何もなければ何も考えませんが、今年は、これだけのことが起きたのですから、これは何か変だ、私たちの今までの生き方が間違っていたのではないかと、振り返ることが必要なのではないかと思います。

 それが反省と言われるものだと思います。

 このコラムを書いている最中にも、インドネシアのスマトラ沖でマグニチュード9.0(当初は8.9)の史上4番目の大地震が発生しました。時々刻々と、被害の情報が入ってきていますが、とてつもない数の人々の命が失われたようです。実は、この地震にも、必ず原因があります。そこに、早く人類が気がつかないといけない時に来ているのではないでしょうか。

 来年を、いい年にするためにも、自分も宇宙船地球号の乗組員の一人であるという自覚のもとで、全体の幸福のために考えていくことが必要ではないでしょうか。

 何はともあれ、本年も拙い七の日コラムにお付き合い下さり、まことにありがとうございました。来年は、もっといい内容にすべく頑張って参りたいと思います。

 それでは、いいお年をお迎え下さい。

(*1)『心の挑戦』第1章「縁起とは何か」(幸福の科学出版);*2『心の挑戦』P.258(同)