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  過去のコラム 平成17年5月〜平成17年6月まで 

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   ●平成17年05月07日 事務業務における手段と目的

 

 先回のコラムでは、事務業務における考える力(「四考法」)の応用の「目的」について述べて参りました。事務業務の目的と言っても、色々なレベルがあることを、発見されたのではないでしょうか。

 それは、資料を作成することだということに始まって、人類の明るい未来を創るという目的まで、何段階もの目的があることが分かりました。

 そこで、今回は、事務業務における手段と目的と題して、さらに、色々と考えてみたいと思います。

 過去にも述べましたが、目的を考えるということは非常に重要であると述べました。なぜなら、「努力逆転」と言って目的が間違っていると、行ったことが逆効果となって、かえって、やらなかったほうが良かったということにもなり兼ねないからなのです。

 さらに、この目的には、別の問題も含んでいます。それは、手段と目的の問題です。

 1.大きな目的と小さな目的

 先回のコラムで見ていただきましたように、事務業務の目的にも色々なレベルがありました。あなたは、何のためにその事務仕事をしているのですか、と問われれば、人類の明るい未来のためという大きな目的を持っている人は、おそらくおられないとは思いますが、意外と小さな目的で甘んじている人も多いものです。

 例えば、自分の事務仕事の目的は、単に資料を作るためだという人、あるいは、日給をもらうためだという人もいることでしょう。そのような小さな目的しか持っていないと、自分の仕事の内容も大きく変わってきます。

 なぜなら、資料の数だけが目的ならば、資料の内容はどうでもよくなり、ただページ数だけを重ねることになってしまいます。その資料が、どのような目的で使われるかというようなことは、どうでもよくなってしまうのです。

 また、時間給によって、働いたぶんだけ日給をもらうことが目的で事務仕事をしている人は、毎日、ただ時間が経つのを待っている人もいることでしょう。そのような人にとっては、時間さえ経てばいいのですから、仕事の中身は、どうでもよくなってしまいます。

 従って、自分が行っている仕事が、どのような目的のためのものであるのか、よく確認することが大切です。

 2.手段と目的

 さらに、手段が目的となって誤解される場合も少なくありません。

 例えば、書類を整理する仕事において、何のために書類を整理するのかという目的を明確にしておかないと、ただ書類を整理することだけが、目的となってしまいます。

 企業において書類を整理することの目的は、必要な書類を、必要なときに短時間で見つけ出し、それを有効に活用し、それによって、会社の売上増に貢献することにある訳ですが、それを理解していないと、ただ書類をきれいに並べるだけになってしまいます。

 きれいに整理されると、見てくれがいいので、本人は自己満足の世界に入ってしまうのですが、その書類が、活用されなければ、いくらきれいでも意味がありません。

 この種の誤解は、手段を目的と誤解することによって起こります。特に、会社が大きくなりますと、専門的な組織が創られて、それだけを専門に行う部署ができますが、その部署のリーダは、自分たちの仕事が、何ののためにあるのかを、常々メンバーに徹底しておかないと、このような誤解が起こり得るのです。

 3.手段が目的とならないために

 では、そのようにならないためには、どうすればいいのでしょうか。実は、その答えが、「考えること」なのです。

 毎日行っている自分の仕事は、忙しいものです。それこそ、朝から夜遅くまで、自分に与えられた仕事をこなすのに精一杯のことでしょう。

 確かに会社は、人件費を節約するために、ぎりぎりの人数で、その仕事を担当させている訳ですから、手を休めて考える時間などないという人も多いでしょう。

 もっともなことです。そのとおりです。しかし、だからこそ、少しでもいいですから、考えるための時間を割いて頂きたいのです。

 忙しい忙しいと言っても、私たちは、お昼の食事の時間をとっています。夜、お風呂にも入っています。テレビも観ています。もちろん適度な睡眠もとっています。

 その全てを無くして、考えましょうと言っているのではありません。たとえ5分でも、10分でもいいですから、考える時間をとりましょうと言っているのです。

 もし、一日に考える時間が、0分なら、100日たっても0分です。1年、10年たっても0分です。0に、いくら大きな数字を掛けても0なのです(当たり前ですが)。

 私は、5分も考えれば分かるようなことでも、考えずに何年も同じことを行っている人を観てきました。長年、同じことを変だと思わずに行っているのです。

 5分でもいいですから、改めて考えると、「あれ!これって、おかしいよね!」、という言葉が出てくるのではないかと思います。

 もし、長年そこに居る人には分からなくても、外から来た人に異様に見えることがあるならば、それは、考えるということを行ってこなかった証ではないでしょうか。世の中、意外と考えていない人も多いものです(*1)。

 そのような気づきのきっかけは、いたるところであると思います。もし、そのような経験をされたならば、これはチャンスと思って、立ち止まって考えることも、自分を向上させることになるのではないでしょうか。

 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。

(*1)『仏陀の証明』P.30(幸福の科学出版)

 

 

   ●平成17年05月17日 事務業務の縁起を考える

 

 先回のコラムでは、事務業務における手段と目的について述べてみました。その中で、手段を目的と取り違えてはいけないことを述べました。どうしても人間というものは、遠くまで物事を見通すことができないので、身近にあるものを目的としてしまう傾向があります。

 しかし、常に考える時間を持っているならば、これはおかしいのではないかということに気づき、本来の目的を発見することも出来るのではないでしょうか。

 そこで、今回は、事務業務を題材に、「四考法」の四つ目の項目である原因と結果の連鎖によって物事を考える方法である縁起によって考えてみたいと思います。

 すなわち、事務業務を行えば、その後どのようになっていくのか、これについて考えてみたいと思います。

 それでは、事務業務をすると、その後どうなるのかを、思いつくままに挙げてみましょう。

事務業務をすると、色々な情報が整理されることになる。  
顧客に関する情報ならば、その顧客に関する情報が整理されることになる。  
顧客の情報が整理されるということは、必要なときに必要な顧客情報が提供されることになる。  
必要なときに必要な顧客情報が手に入れば、機会損失せずに顧客に適切に対応することができる。  
顧客に適切に対応することができれば、顧客の満足度が増す。  
顧客の満足度が増したならば、売上げ増大につながる。  
売上げが増大したならば、それによって会社の利益も増大する。  
会社の利益が増大したならば、従業員に給与も上がるし、会社も設備投資を行うことができる。  
従業員の給与が上がれば、従業員は、自分のスキルアップ投資ができるようになる。  
従業員が、スキルアップしたならば、会社全体の事務処理能力が増大し、量的にも質的にもさらに高い仕事ができるようになる。  
それによって、ますます会社の売上げと利益が増大する。  
一方、会社が今後設備投資を出来るようになれば、施設や設備、機械、ITなどが充実する。  
施設や設備、機械、ITなどが充実したならば、ますます会社全体の生産性が増大する。  
生産性が増大すれば、低価格にて良品を多く生み出すことができるので、ますます利益増大につながる。  
利益の増大は、従業員の給与のアップと設備投資に寄与するのみならず、株主に貢献することになる。  
株主に貢献するということは、結果的に社会に貢献することであり、社会の幸福化に貢献することになる。  
社会の幸福化に貢献するということは、結果的に明るい人類の未来を築くことになるということだ。  

 以上、事務業務がきちんとなされたならば、その後どのようになるかを考えてみました。何と、事務業務が明るい人類の未来を築くことになるという「縁起」が導かれました。

 世の中は、全て何らかの関連によって支えあっています。何一つ、それ単独で存在し得るものはありません。これを空間縁起(*1)と言いますが、自分の行った仕事は、必ず、他に影響を与えているものです。

 もし、それがいい影響であるならば、「善因善果」となって、善の循環をともない、結果的に自分にも善となって還ってきます。反対に、悪い影響を与えているなら、「悪因悪果」となって、それ相応の報いを受けることになります。

 ですから、事務業務一つとっても、いい仕事をすれば周りの人たちは喜び、また、周りから感謝され自分も嬉しくなります。

 その反対に、いつもミスをしたり、物忘れが多く、周りに迷惑をかけているならば、周りの人は、もちろん苦しみますが、自分にも必ずその報いは返ってきます。 

 そのように考えますと、事務業務と言えども、明るい人類の未来を築くものから、周りを不幸にし、自分も不幸になるレベルまで、それこそ天と地の開きがあるものだなと、改めてその重要性が分った次第です。

 ならば、一生懸命にいい仕事をしようと思うのは、私だけでないはずです・・・。

 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。

(*1)『心の挑戦』P.26(幸福の科学出版)

 

 

   ●平成17年05月27日 事務業務を振り返る

 

 先回のコラムでは、事務業務における考える力(「四考法」)の応用の「縁起」について述べました。これで、事務業務について四つの切り口の全てから述べた訳ですが、ここで、全体を通して再度考えてみたいと思います。

 さて、事務業務と言いますと、結構地味なもので、営業活動のような活発な業務と比べますと、本当に自分は会社に貢献しているのだろうかと、心配に思われるところもあるのではないかと思います。

 しかしながら、四考法によって考えて参りますと、その結論は次のようでありました。

 1.事務業務の本質  
 

 事務業務の本質を考えるところで、事務業務とは会社における兵站(へいたん)とレーダであるという発見がありました。兵站とは、難しい言葉ですが、要するに、戦いで言うならば、前線基地に物資や食料などを補給する機能のことを言います。

 また、会社におけるレーダとは、先を見る目の役割を果たすものであると言えます。

 そのように考えますと、例えば、戦いにおいて、たとえ立派な戦車や戦闘機があっても、物資や食料の補給がなければ、戦わずして滅んでいきますし、また、レーダがなければ、いくら性能のいい戦闘機を持っていたとしても、目をつむって走るようなもので、必ずどこかにぶつかって、これまた自滅してしまいます。

 どうでしょうか、事務業務に携わっている人たちは、自分が行っている仕事が、いかに大事で、会社の生死をも左右するものであるということを認識されているでしょうか。

 ですから、いい意味で、事務業務に携わっている人たちは、自分の仕事に対して誇りとプライドを持っていただきたいものだと思います。

 

 
 2.事務業務の理由  
 

 事務業務の理由を考えるというところでは、「なぜが分かればやる気が出てくる」という発見がありました。

 やる気とは、「気力」と言い換えることもできますが、気力というものは、それ単独で出てくるものではありません。必ず、他のものと関連して発生するものという法則があります。実は、その他のものというものが、知力なのです。

 つまり、なぜこれをするのか、なぜこれをすることが必要なのかということを理解できれば、やる気も湧いてくるということです。

 ですから、会社が真に発展するためには、部下や従業員に対して上司たるものは、常々なぜこの仕事が必要なのかということを、言い続けることが大切です。それも、繰り返し繰り返し、言い続けることが大切なのです。

 一見、地味な事務業務であっても、その存在意味が分かったならば、それだけで、大きなパワーになること必定です。

 

 
 3.事務業務の目的  
 

 事務業務の目的を考えるところでは、手段が目的にならないようにすることが大切であるという発見がありました。なぜなら、事務業務においては、手段が目的となることが少なくないからです。

 例えば、書類や資料の整理の仕事があるとします。何のために資料の整理をするかと言えば、それは単に見てくれを良くするのではなく、必要なときに必要な書類をすぐに引き出せるために整理をするのです。

 しかしながら、書類がきれいに並んでいればいいというだけで、その活用を考えていなければ、何の整理のメリットもありません。

 そのような誤解をなくすために、実は考えるということが必要であるということを述べました。しかしながら、世の中の多くの人たちは、考えるという習慣を持っている人が少ないのも事実です(*1)。

 実は、自分では考えているつもりでも、「反応」しているだけの人もおられます。つまり、考えるということは、外からの刺激がきっかけとなって考えるのではなく、自ら自発的に問題意識を持って考えるということを意味します。

 例えば、家のチャイムが鳴ったので、誰が来たのかなと考えること、気温が高くなってきたので、今日はどの服を着ようかなと考えること、これらは、自発的に問題意識を持って考えているのではなく、外からの刺激によって考えさせられているのです。つまり、「反応」しているだけに過ぎません。

 すなわち、考えるということは、外界の刺激を絶って、自らの意思で問題意識を持って考えることを意味します。そういう意味では、今後は、外界の刺激、すなわち、音などを絶てる空間の開発が急務とされるのではないかと思います。

 

 
 4.事務業務の縁起  
 

 事務業務の縁起を考えるところでは、事務業務をしたならば、その後どのようになっていくかということについて考えてみました。

 事務業務をしっかりと行うことによって、会社の情報の整理などがなされ、それによって顧客満足度が増大し、顧客満足度の増大によって、売上が増大して利益が増し、それによって株主に貢献することができるし、また、社会に貢献することになり、結果的に明るい人類の未来を築くことになるということが導かれました。

 このように、玉突きゲームのように、初めに転がった玉が、次の玉に当り、当てられた玉が、また次の玉に当たるというように、どんどんと事務業務が、連鎖的に展開していきました。

 そして、最後に行き着いたところが、明るい人類の未来を築くという結論でした。

 どうでしょうか。事務業務を行っておられる人が、自分の仕事が回りまわって、明るい人類の未来を築くのだと思っておあられる人が何人おられるでしょうか。

 そこまで考えている人は、おそらく居られないのではないでしょうか。

 しかしながら、原因があれば、必ず結果があるように、私たちの行った仕事は、必ず連鎖していくのです。

 いい仕事をすれば、いい連鎖となり、悪い仕事をすれば悪い連鎖となって、それらの連鎖は結果的に自分に返ってくることになります。

 ですから、仕事というものは、会社のため仲間のためと思っておられるかと思いますが、結局、自分のためでもあるということが言えるのではないでしょうか。

 
 
 
 
 

 以上、事務業務について、四つの切り口から再度考えて参りましたが、改めて考えてみますと、結構予期しない発見がありました。

 実は、このような予期しない発見があることこそが、「考える」ということのご褒美かも知れません。

 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。

(*1)『仏陀の証明』P.30(幸福の科学出版)

 

 

   ●平成17年06月07日 製造生産業務における考える力の応用

 

 先回までのコラムでは、事務処理業務における考える力(「四考法」)の応用について述べて参りました。事務処理業務自体は、どの企業にでもあるものですが、目立たない存在であるが故に、さほど重要視されないところがあったように思います。

 しかしながら、意外と事務業務が企業における要であることを、改めて思い知らされてのではないかと思います。

 そこで、考える力の応用のテーマを次に進めたいと思います。

 次にお約束したテーマは、製造生産業務です。すなわち、その企業における「ものづくり」の現場部門であって、利益を生み出す源泉場所でもあります。

 最初のテーマであった営業部門が、攻撃をする前線なら、その次に述べた事務処理業務は、後方の守りでありました。

 では、製造生産業務はどこに当たるのでしょうか。それは、まさしく両者をつなぐ胴体を意味します。

 攻撃も良く、守りもいいが、では、戦いのための弾が作られなければ鉄砲も撃つことはできません。まさしく弾切れになってしまいます。そのような部門であると思っていただければいいかと思います。

 それでは、この製造生産部門の業務について、例によって4つの切り口(「四考法」)から考えて参りたいと思います。では、まず、考えのおおまかな項目をあげてみたいと思います。 

 1.本質を考える

  (1)製造生産業務とは一体何なのか。

  (2)その本質は何か。

  (3)製造を行うということは一体どういうことなのか。

  (4)当社にとって製造生産業務とは一体どういうことを意味しているのか。

 2.理由を考える

  (1)なぜ製造生産業務が必要なのか。

  (2)なぜ製造生産業務をしなくてはならないのか。

  (3)なぜ製造に力を入れるのか。

  (4)なぜ当社には製造生産部門があるのか。

 3.目的を考える

  (1)何のために製造生産業務があるのか。

  (2)企業が製造生産業務を行う目的はどこにあるのか。

  (3)当社の製造生産業務の目的は何か。

  (4)何のために、会社は各工場で製造生産業務を行っているのか。

 4.縁起(*1)を考える

  (1)製造生産をすれば、その後どのようになっていくのか。

  (2)製造生産を行なった結果、それはどのように会社を守ることになるのか。

  (3)製造生産業務をすれば、それが他に、どのように影響を与えていくのか。

 以上、営業活動や事務業務のときと同じく、4つの切り口から考えるべき項目をあげてみました。

 前回のテーマでも、自分でも驚くような新しい発見がありました。自分で言うのも何ですが、前回のテーマである事務業務を今回発見した切り口で説明したものには、お目にかかったことがないように思います。

 今回のテーマでも、どのような発見があるのか、楽しみです。それでは、集中して深く考えられるように、次回に向けて体のコンディションを整えて参りたいと思います。

 ところで、この「四考法」も検索サイトにキーワードが登録されたようで、yahooでひきますと、当方のサイトが検索されて出てきました。それも、このような名称で考える方法を説いているのは、この七の日コラムしかないようです。そのうちに、四考法も一般語となって、あらゆるところで使われていくのではないかと思っています。

 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。

(*1)『心の挑戦』P.26(幸福の科学出版)

 

   ●平成17年06月17日 製造生産業務の本質を考える

 

 先回のコラムでは、製造生産業務について、4つの切り口から考える方法、つまり、四考法による考え方について述べました。そこで、今回は、まず、その4つの切り口のうちの最初にある「本質」について考えてみたいと思います。

 すなわち、製造業務や生産業務の本質とは何か、製造業務や生産業務とは一体何なのか、これについて考えてみたいと思います。

 そこで、例によって、ブレーンストーミング法(*1)を使って考えてみたいと思います。前項の事務業務について考えたときも、このブレーンストーミング法によって、ありがたい意外な発見もありました。

 このブレーンストーミング法は、複数の参加者のグループで行わなければ成果が得られないと当初思っていましたが、個人で行う時でも効果があることが発見できました。

 これは大きな発見でした。自分のアイデアがなかなか浮かばないというときには、是非ともお勧めしたい方法です。

 それでは、さっそくブレーンストーミング法によって、製造業務ならびに生産業務の本質について考えてみましょう。

 製造業務とは、一体何なのか。生産業務とは、一体何なのか。

それは、ものを創ることである。  
それは、材料に加工を施し、別の価値ある形に変えることである。  
それは、材料と材料を加えて、別の性質の物(もの)にすることである。  
それは、アイデアに基づいて材料に加工を施し、新しい価値を創造することである。  
それは、元は無意味な形であったものから、有意義な形にすることである。  
それはJISでの定義では、「生産要素である素材などの低い価値の経済財を投入して、より高い財に変換する行為」である。  
それは、4M、つまり、人、物、設備、方法を投入して製品を創ることである。  

それは、人間の創造する本能によるものである。

 
それは、創造することによって、自分の能力を高めることである。  
それは、企業としての、利益の源泉そのものである。販売するものがなければ企業として成り立たなくなるものである。  
それは、企業として、他企業と戦う、言わば鉄砲の弾を創ることである。  
それは、企業としての力そのものである。  
それは、従業員に創造の喜びを与えることである。  
それは、ものを創造することによって、人間としての喜びを感じることである。  
それは、顧客に自社の製品を提供し、心地良さを提供することである。  
それは、製品を通して、人々に幸福を与えることである。  
それは、人々に幸福を与えることによって、地域に幸福感を与えることである。  
それは、地域を幸福化することによって、人類の明るい未来を築くことである。  

 以上、ブレインストーミング法によって、企業における製造業務、生産業務とは何かを考えてみました。製造生産業務は、ものづくりであるということは誰でもが知っていることですが、その本質が、幸福の創造であるという観点は、それほど知られてはいないのではないでしょうか。

 つまり、製造生産業務とは、無味乾燥な素材に加工を加え、そこに新たな付加価値を生み出し、その価値によって、人々に幸福をもたらすことこそが、その本質であると導かれました。

 また、さらに、競争の激しい企業活動においては、戦うための鉄砲の弾であるとも出ました。

 この幸福の創造と、鉄砲の弾とは、まったく逆の意味のように感じられるところですが、そこが、製造生産業務の本質をよく表しているのではないかと思います。

 次回は、一見、反対の意味に思えるこの幸福の創造と弾の意味について、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。

(*1)『幸福の法』第2章「ワンポイントアップの仕事術」P.122(幸福の科学出版)

 

 

   ●平成17年06月27日 幸福の創造と鉄砲の弾

 

 先回のコラムでは、製造生産業務における考える力(「四考法」)の応用の「本質」について述べて参りました。そこで、製造業務、生産業務の本質は、幸福の創造であり、また、鉄砲の弾であるという考えも出されました。

 そこで、今回は、一見、反対の意味とも思える「幸福の創造」と「鉄砲の弾」について考えてみたいと思います。 

1.幸福の創造

 ものを創るということは、この地球上に存在する素材に対して加工を加え、そこに新たな価値を創造することであります。それは、単に自然界に存在する形から、人工的な加工を加え、意味ある別の形へと変化させることを意味します。そこで、その加工とは何をすることなのかを考えてみたいと思います。

   できあがる形をデザイン(設計)すること。

   その設計に従って、切断したり、削ったりして形に変化を加えること。

   加工されて変化したもの同士を、組あわせること。

   出来上がった加工物に対して、塗装をしたり、あるいは装飾を加えたりすること。

   最後に、当初の予定された機能を果たすかを検査すること。

 以上が、加工と言われるものの内容ですが、結局、その加工とは価値を加えることに他なりません。つまり、「加工」とは「加価値」と呼ぶことも可能だと思います。

 では、その価値とは何でしょうか。創られたものをもらった人は、どういう価値を感じるのでしょうか。それを少し考えてみましょう。

   創られたものを使うことによって、より仕事が楽になった。

    →はさみ、のこぎり、かんな、ドライバー、など。

   創られたものを使うことによって、より生活が楽になった。 

    →電気洗濯機、掃除機、電気炊飯器、自動皿洗い機、など。

   創られたものを使うことによって、より生活が便利になった。

    →自転車、バイク、自動車、電車、飛行機、電話、パソコンなど。

   創られたものを使うことによって、より自分の生活が快適になった。

    →バリアフリーなどの住み心地のいい住居、快適な空調、ホームシアター、など。

 以上、少しあげてみましたが、結局、その価値によって人々は、幸福を感じているということだと思います。つまり、価値の創造とは、言葉を換えれば、それは幸福の創造に他ならないということなのです。

 従って、企業が物を創っているということは、実は、人々に対する幸福を創っているということができます

 2.鉄砲の弾

 一方、もの創りが「鉄砲の弾」という意味を考えてみますと、企業そのものの置かれている状況をそこから読み取れるのではないかと思います。

 つまり、その意味は次のように説明できるでしょう。

企業はいつも他社との競争にさらされている。つまり、戦場に居る訳だが、その戦いで相手を倒す弾に当たるのが自社で製造した製品である。  
その弾は、威力がなくてはならない。つまり、製品で言うならば、売上競争に勝つ優れた製品でなくてはならない。  
もし、弾切れになったらそこで、戦いは負けである。従って、常に企業は相手に勝つ弾を創り続けなくてはならない。  
弾切れにならないためにも、火薬などの材料の購入に気を配り、また、納期に間に合うように生産管理をすることが必要となる。  

 以上、鉄砲の弾の意味を考えてみました。つまり、企業は、いつも戦場に居て、新しい高性能の弾を前線に供給し続け、熾烈な企業競争に勝たねばならないということなのです。

 3.両者は融合される

 以上、2つのもの創りの意味を考えてみましたが、一見、逆の意味である「幸福の創造」と「鉄砲の弾」は、実は、融合されるものでもあります。

 つまり、多くの人々を最高に幸福にすることができる製品は、実は、その企業にとって、最高の鉄砲の弾なのです。いや、高性能ミサイルかも知れません。そのような製品を出すことによって、多くの人々を幸福にすると同時に、熾烈な企業競争に打ち勝つことができるのです。

 従って、企業は常に、どういった製品が多くの人々に幸福をもたらすのか、これを考えに考え続け、そして、日に日に新しい製品を開発し続けなくてはなりません。

 これは、兵器の開発競争と同じです。たとえ、強力な新兵器を開発しても、すぐさま敵国にまねをされて、その兵器に威力がなくなってしまいます。

 ですから、今は、平和な世の中なので世界レベルでの戦争もありませんが、実は、企業というレベルでは、戦いは続いているのだと思わなくてはならないのではないかと思います。

 実は、それこそが人類の進化を促している意味(*1)であるかも知れません。 

 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。

(*1)『常勝の法』第二章「勝負に勝つ法」(幸福の科学出版)

 
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