●平成17年03月07日 事務業務における考える力の応用 |
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先回までのコラムでは、営業活動における考える力(「四考法」)の応用について述べて参りました。営業活動自体は、企業の中では当然の業務ではありますが、改めて考えてみますと、色々なことが発見できたのではないかと思います。 そこで、考える力の応用のテーマですが、すでに過去のコラムのシリーズで述べましたように、次の業務についても考えて参りたいと思います。 次のテーマは、事務処理業務です。すなわち、前回述べた営業活動が、企業における前線とするならば、事務業務は、企業における後方守備部門であると言えます。 スポーツでも何でもそうですが、おおよそ活動というものは、前に出て攻撃をする部門と、守りの部門の両方が必要です。事務部門は、企業においてはあまり目立たなく地味な部門ではありますが、企業全体を半分支える大変重要な部門です。 この部門が力を発揮しなければ、組織として成立することは難しくなります。人間でたとえるならば、体の健康維持に当たるところと言えます。 体が病気をしていては、何事にも携わることはできません。それと同じように、企業の事務部門が問題山積では、企業として営業活動も製造活動も、何もするすることはできません。それほど大切な部門であると言えます。 それでは、この事務部門の業務について、例によって4つの切り口(「四考法」)から考えて参りたいと思います。では、まず、考えのおおまかな項目をあげてみたいと思います。 1.本質を考える (1)事務業務とは一体何なのか。 (2)その本質は何か。 (3)事務を行うということは一体どういうことなのか。 (4)当社にとって事務業務とは一体どういうことを意味しているのか。 2.理由を考える (1)なぜ事務業務が必要なのか。 (2)なぜ事務業務をしなくてはならないのか。 (3)なぜ事務に力を入れるのか。 (4)なぜ当社には事務部門があるのか。 3.目的を考える (1)何のために事務業務があるのか。 (2)企業が事務業務を行う目的はどこにあるのか。 (3)当社の事務の目的は何か。 (4)何のために、会社の各セクションで事務業務を行っているのか。 4.縁起(*1)を考える (1)個々の事務業務をすれば、その後どのようになっていくのか。 (2)事務を行なった結果、それはどのように会社を守ることになるのか。 (3)事務業務をすれば、それが他に、どのように影響を与えていくのか。 以上、営業活動のときと同じく、4つの切り口から考えるべき項目をあげてみました。 営業活動をこの4つの切り口で考えた時に、意外と思いもよらない新鮮な発見がありました。今回は、事務処理がテーマとなりますが、営業活動を考えたときと同様に、色々な発見があるのではないかと非常に楽しみのところがあります。 今回は、項目だけをあげさせていただき、次回からは、各項目について具体的に考えて参りたいと思います。 このコラムの読者には、サラリーマンやOLの方が多いと思いますので、ご一緒に考えたいただければ幸いです。 それでは、次回もお会いいたしましょう(竹内)。 (*1)『仏陀の証明』P.30(幸福の科学出版)
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●平成17年03月17日 事務業務の本質を考える |
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先回のコラムでは、事務業務について、4つの切り口から考える方法(「四考法」)について述べました。そこで、今回は、まず、その4つの切り口のうちの最初にある、本質を考えるということについて考えてみたいと思います。 すなわち、事務業務の本質とは何か、事務業務とは一体何なのか、これについて考えてみたいと思います。 そこで、例によって、ブレーンストーミング法(*1)を使って考えてみたいと思います。前項の営業活動について考えたときも、このブレーンストーミング法によって、思いもよらない意外な発見もありました。 この方法には、ただ一つのルールがありあます。それは、出された意見や発想に対して、批判をしてはならないというルールです。このルールによって、様々な意見を述べていくうちに、意外な発見もあるものです。 それでは、ブレーンストーミング法によって、事務業務の本質について考えてみましょう。 事務業務とは、一体何なのか。
以上、ブレインストーミング法によって、企業における事務業務とは何かを考えてみました。事務業務は、書類作りだけをする地味な仕事だというように思われがちですが、企業の目であるとも出ました。 もし、自分が目が不自由なときに、前を歩きなさい、あるいは、走りなさいと言われればどうでしょうか。なかなか難しいところがあります。 逆に、もし、人間が1Km先を見通せたり、将来に起こることが分かったらどうでしょうか。おそらく、今までの生き方とまったく違った生き方になるのではないかと思います。 実は、事務業務は、企業の未来を見えるようにするような「天狗の遠眼鏡」であるとも言えましょう。 だからこそ、事務業務では、単に書類の作成だけをするのではなく、いかに情報を使える形にするかという観点からの仕事の進め方が、重要になるということではないでしょうか。 では、次回もこの続きについて述べて参りたいと思います。(竹内) (*1)『幸福の法』第2章「ワンポイントアップの仕事術」P.122(幸福の科学出版)
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●平成17年03月27日 事務業務は兵站(へいたん)とレーダ |
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先回のコラムでは、事務業務の本質について考えてみました。一人でブレーンストーミングをしても、色々と発見があるものです。一見地味な会社での事務業務も、人間に例えるならば、目に当たるという新たな発見もありました。 そこで、今回は前回の結果を受けて、事務業務の本質についてもう少し考えてみたいと思います。 少し大きな企業になりますと、必ず事務部門が設置されています。パパママ・ストアのように、夫婦で経営している商店の場合でも、おそらく、経理などは奥様が行われていることと思います。 では、どのような事務部門があるのでしょうか。 (1)経理 (2)人事 (3)総務 (4)各部門(例えば営業や受注など)内の事務を行うところ などがあげられますが、おおよそ、企業としての活動を行う限りにおいては、必要不可欠の存在です。 たとえ、技術的に非常に優れた製品を持っていても、たとえ、強い販売力を持っていても、ここの事務業務部門が弱いと会社としての支えがなくなってしまいます。 過去において、大きな発展をした会社を見てみますと、やはり技術力や販売力の大きいところばかりが目立つのですが、少し目を後ろに移しますと、この事務部門のバックアップの大きさに驚かされます。 ホンダもソニーも、その技術力によって世界企業となりましたが、事務部門の強い支えがあったからこそ、前へ進撃することができたと言えます。 例えが良くないかもしれませんが、戦争もしかりです。最新式の戦車や戦艦などを持っていたとしても、後方からの補給がなければ戦うことはできません。これを兵站(へいたん)と言って、その重要性がよく述べられています。 かつての先の大戦で、日本は、優秀な戦艦やゼロ戦という戦闘機を持っていましたが、この兵站のところが弱かったので、負けてしまったと言って過言ではないと思います。 何事も、陽の部分と陰(かげ)の部分がありますが、陰の部分があるからこそ、陽の部分が成り立つのだと思います。 つぎに、事務部門に求められる機能は、企業の目としての役割です。 特にこの機能は、近年ますます重要になってきています。そして、その目も、目前の障害物を見るだけでなくて、将来遭遇する障害物もまで見通せる目、つまり、先回のコラムで述べたような「天狗の遠眼鏡」のような機能まで求められています。 まず、現在、自分の会社はどのような状態(財務的に、世の中でのランクなどで)にあるのかということが分からなくてはいけません。それも、その時点の状態が即座に分からなければなりません。 それは、私が、昔ボーイスカウトにいたとき、よくリーダから教わったことですが、迷ったらまず現在位置を発見せよということでした。自分が、まず、どの位置に居るのか、これが分からないと、ますます迷っていくということを教わりました。 それは、財務状況で言うならば、その時点でのバランスシートや、損益計算書でしょう。これが、1ヶ月後でなければ分かりませんというならば、道に迷ったときに、一ヶ月後に地図を渡されるようなものでしょう。それでは役に立ちません。 そしてさらに、現時点は当然として、さらに遠く(将来)を見通せる地図が欲しいのです。東京の都内だけを動き回るなら、都内だけの地図でいいですが、東名高速道路を走って、伊豆箱根まで行くなら、そこまでの地図が必要です。そして、どこにレストランやレストハウスがあるかが分からなければなりません。 戦いには兵站が重要であることを述べました。しかし、それだけでは優位に立つことはできません。次に必要なのは情報です。 兵站の弱さで、日本は先の大戦で負けたとも述べましたが、もうひとつ重要であったのが、この情報だったのです。具体的に言いますと、それはレーダ技術でありました。日本は、八木博士によって八木アンテナを発明しておきながら、それを具体的機器にできなかったのです(*1)。 かえってアメリカのほうが、その発明を使って作り上げました。そして、雲の中のゼロ戦の動きを全てキャッチしていたのでした。 よく考えてみますと、このレーダ技術こそが、天狗の遠眼鏡ではないでしょうか。 企業の事務部門には、この兵站とレーダ技術、この2つの重要な機能があって初めて、戦車のように前進していけるのではないでしょうか。 この兵站とレーダの機能が、自社にどのように備わっているかを、再度ご確認いただければありがたいと思います。 今回は、前回の事務部門の本質のブレーンストーミングを受けて、少し考えてみました。 では、次回もこの続きについて述べて参りたいと思います。(竹内) (*1)『常勝の法』第5章P.253(幸福の科学出版)
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●平成17年04月07日 事務業務の理由を考える |
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先回のコラムでは、事務業務は兵站(へいたん)とレーダであるとも述べました。このように考えますと、事務業務がその会社にとって、いかに大切な業務であるかも理解できるのではないかと思います。そこで、今回は、考える方法(「四考法」)の第二の項目である、事務業務の「理由」について述べてみたいと思います。 すなわち、なぜ事務業務があるのか、なぜ事務業務を行うのか、これについて考えてみたいと思います。 今回も、例の如くブレーンストーミング法によって、考えてみたいと思います。 つまり、なぜ事務業務があるのか、なぜ事務業務をするのかを考えます。
以上、ブレーンストーミング法によって、なぜ事務業務があるのか、なぜ事務業務を行うのかということを考えてみました。先回の考えを土台にして考えましたので、やはり、事務業務がなければ、後方からの補給もできませんし、また、企業にとって、先を見通せる目がないということになってしまいます。 通常、なぜ事務業務があるのかと問えば、それは、会社の内外で発生する書類を整理しなければならないからとか、経理の財務諸表を作成しなければならないからだ、というのが一般的な答えではないかと思います。 しかしながら、ここで改めて考えてみますと、企業が、将来において末永く活動していくためには、先の見通しが極めて重要になります。先が見えていないならば、それは、地図を持たずに密林に入るようなもので、かならず、路頭に迷うこととなるでしょう。 このように、なぜ、事務業務を行うのかという真の理由が分かっているならば、日々の事務業務に対する熱意や、やる気も変わってこざるを得ないと言えるのではないでしょうか。 人間というものは、理解の深さによって、気力も変わってくるものです。自分の仕事の意味やなぜ行うのかという理由が分かれば、さらに事務業務の効率も上がってくるものと思います。 では、次回もこの続きについて述べて参りたいと思います。(竹内)
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●平成17年04月17日 理由が分かる事と「やる気」 |
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先回のコラムでは、事務業務の理由について考えてみました。その中で、事務業務がなければ、会社の前面で活動している部門に対して後方からの補給もできないし、また、会社が進む先を見通せる目もないといことになってしまうことを、再度確認できたのではないかと思います。 さて、ここで、理由を考えることの大切さについて考えてみたいと思います。 1.行動や現象には必ず理由がある ものごとを行うときや、起きた現象には必ずその理由があります。何も理由がなくてそれを行ったたならば、それは、人間で言えば夢遊病者のように、無意識下で行ったということになります。また、どのような力も与えられていないのに、物が動くということもありません。 従って、行動や現象には必ず理由があります。例えば、次のような行動の理由を考えて見ましょう。 ●ご飯を食べた。→(理由)お腹が減ったから。昼食や夕食の時間がきたから。 ●相手を怒鳴った。→(理由)相手が悪いことをしたから。相手がそのままでは堕落するから。 ●学校で勉強した。→(理由)色々なことを知りたいから。勉強して立派な社会人になりたいから。 ●会社で伝票を作成した。→(理由)伝票がなければ、取引を証明するものが無いから。 ●会社で会議の資料を作った。→(理由)その資料によって、会議で討論する土台の情報とするため。 ●会社で請求書を作った。→(理由)これがなければ、お客様からお金をもらえないから。 以上のように、行動には必ず何らかの理由があります。ですから、なぜそれをしたのですかと問われたならば、それに対する答えが返ってくるものです。 2.時間とともに本来の理由が忘れ去られる しかしながらです。当初は、その理由が分かっていたとしても、時間の経過とともに、当初の理由が忘れ去られてしまうことも少なくありません。 先ほどの夢遊病者の例ではありませんが、会社の中で、なぜそれをするのかという本来の理由が分からず、ただ単に惰性で仕事をしている人もいます。 例えば、ある事務作業をしている事務員に、「なぜそれをしているのですか」と、問うと、次のような答えが返ってきたことを、経験された方もおられるのではないでしょうか。 ●「上司からやれと言われたから」 ●「隣の人もやっているから」 ●「前任の人がやっていたから」 ●「会社でやることになっているから」 などと、理由と言えば理由なのですが、どこかおかしいと言わざるを得ません。すなわち、本来の理由が忘れ去られているのです。 ですから、もし、ここに挙げた理由がなくなってしまえば、その作業自体が消滅してしまいます。例えば、上司がこれをやれと言わなくなったらどうでしょうか。もし、隣の人がそれをやらなくなったらどうでしょうか。もし、前任の人がやっていなかったらどうでしょうか。もし、会社でやることになっていなかったらどうでしょうか。 そのような浅薄な理由では、いつかは色あせて無くなってしまうこととなり、やがてはそれに伴って、行動も無くなってしまうことになるでしょう。 3.「なぜ」が分かれば「やる気」が出てくる 従って、原点に戻って、なぜそれをするのか、ということを問い続けることが大切です。これが動機づけと言われるものなのです。 「なぜ、それをすることが大切なのか」「なぜ、これをすることに意義があるのか」、ということを、皆で確認しあうことが大切なのです。 特に、会社のトップや幹部、そして、上司に当たる人は、部下の行動にやる気が起きるように、常に行動の理由を明らかにすることが大切です。それも繰り返し、繰り返し行うことが重要なのです。やがて、それが企業の風土となり、やる気というネルギーに変換されることになるからです。 人というものは、自分の行動が、いかに重要な意味を持っているかということを知れば、やる気も起こりますし、たとえ肉体的疲労があっても、精神的には疲れないものです。 これを「気力」といいますが、気力というものは、知力によって支えられているところがあります。「なぜ」という理由が、知的に説明されれば、自然とやる気も起きてくるのです。これは、心の法則(*1)です。 事務という極めてビジネス的な世界においても、実は、心の法則は大きな力を持っているということを、改めて勉強させていただいたのではないかと思います。 では、次回もこの続きについて述べて参りたいと思います。(竹内) (*1)『大悟の法』第5章「常に仏陀とともに歩め」(幸福の科学出版)
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●平成17年04月27日 事務業務の目的を考える |
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先回のコラムでは、事務業務の理由が分かることと、「やる気」の関係について述べました。やはり人間というものは、機械ロボットではなく、「なぜ」ということが分かると、行動のエネルギーが湧いてくるものです。 そこで、今回は、考えるための切り口(「四考法」)の3番目にある「目的を考える」について述べたいと思います。 すなわち、何のために事務業務があるのか、何のために事務業務を行うのか、これについて考えてみたいと思います。 それでは、今回もブレーンストーミング法によって、事務業務の目的について考えてみましょう。 何のために事務業務があるのか、何のために事務業務を行うのか。
以上、ブレーンストーミング法によって、何のために事務業務があるのか、何のために事務業務を行うのかということを考えてみました。先回まで、事務業務の「本質」や「理由」を考えていましたので、同じような考え方も出てきましたが、また新たな発見もありました。 つまり、何のために事務業務があるのかと問えば、それは、会社の内外で発生する書類を整理するためにあるのだ、という答えが一般的だと思いますが、ここでは、社会に貢献するためという新たな目的も出てきました。 実際、企業における事務部門は、伝票をコンピュータに入力したり、各種の財務帳票をプリントしたり、あるいは、それらをグラフにして見易くしたりなど、日常の業務を追われており、じっくりと何のためにこれをしているのか、というようなことを考える時間がないのではないかと思います。 しかし、少し手を止めて、自分は何のためにこれをしているのか、ということを考えることも、大切なことではないかと思った次第です。 それでは、次回は、この発見をさらに深めていきたいと思います。(竹内) |
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